GK田口が危機しのぎ引き分け FC琉球 3バックに戸惑いも


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琉球―金沢 好セーブで再三のピンチをしのいだ琉球のGK・田口潤人(中央)=27日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(大城直也撮影)

 GK田口潤人が失点の危機を幾度も防ぎ、ホームでの敗北を何とか免れた。

 1―1の後半残り10分、相手DFが1試合2枚目のイエローカードで退場となり、数的優位に立った。ここから猛攻を見せ、田中恵太が右からのクロスを何度も放り込んで、得点まであと一歩だった。上原慎也のヘディングや草野侑己のダイレクトシュートなどで攻め立てた。一方で攻撃に比重を置くリスクを突かれ、ロスタイムにピンチの場面も。ゴール前に迫られ枠内への決定的なシュートもあったが、田口が死守した。

 前半は受け身の姿勢が目立ち、ほぼ見せ場をつくれなかった。自陣でプレスを受ける場面が多く、パスを先読みされてミスを引き出される形で後手に回った。田口はこの前半を「パスのずれがあったり、変な取られ方をしたりでミスが多かった」と総括した。

 ここ数試合からチームが試行錯誤しながら採用する3バックに戸惑いも見られた。「前半は裏に抜けられず、うまく前へのポジションが取れなかった」という上原牧人。従来の4バックに戻した後半では「立ち位置、周りの選手の動きも理解できていてワイドに裏に抜けられた」と手応えを取り戻した様子だった。
 (大城三太)


 サッカー明治安田J2第12節の27日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでツエーゲン金沢と対戦し、1―1で引き分けた。前半はほとんど見せ場をつくれず、17分に先制点を奪われた。後半は序盤に中野克哉がPKをもらい、草野侑己が決めて同点に追い付いた。その後は攻防を繰り広げ、終了間際に失点しそうな場面もあったがGK田口潤人がファインセーブで防ぎ、引き分けでしのいだ。通算成績は1勝8敗3分けで勝ち点6、最下位の22位のまま。次戦は30日、同スタジアムでアルビレックス新潟と行う。

(1)タピスタ

琉球 1勝3分け8敗(6)
1―1 (0―1,1―0)
金沢 4勝5分け3敗(17)

▽得点者 【琉】 草野(PK)(3)【金】 毛利(1)
▽観客 926人

 【評】3バックを試みた前半は選手の動きに迷いが見られ、覇気なく攻めあぐねた。後ろでボールを回す時間帯が続き、プレスで2、3手先のパスコースをつぶされ、ミスも多発。従来の4バックに戻した後半は徐々にペースをつかみ、攻撃チャンスを広げた。

◆次に向けて準備する

 喜名哲裕監督(琉球)の話 前半は3バックで臨んだが、後ろが重たくなってしまいボールを前に運べなかった。ボールを大事にし過ぎた。後半、4―4―2に変えて戦う姿勢を見せることができた。ホームで勝ってない悔しさがある。次に向けて準備する。

◆2、3点取らないと

 柳下正明監督(金沢)の話 前半の琉球は元気がなく、2、3点取らないといけない展開。30分ごろからイージーミスが増えた。