高校空手、浦添が男女組手を制す チーム一丸で成長 新垣、大将戦で決める


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男子団体組手決勝 力強い突きで攻める浦添の新垣陽大(右)

 空手の2022年度県高校夏季大会は29日、浦添高校体育館で行われた。個人形は男子が東海毅(浦添)が決勝で26点を出して2連覇した。女子は田場琳奈(同)が25・74で制した。団体組手は男女ともに浦添が優勝した。個人組手は男子が金城亨鷹(こうよう)(浦添)、女子は佐藤永理(沖縄尚学)が頂点をつかんだ。金城は組手団体、個人の2冠を達成した。

男子団体組手

 男子団体組手は、大将戦までもつれる接戦を浦添が制した。勝負を託された大将の新垣陽大(ようた)はオーダーを見て、「力はきっ抗していて勝負どころは自分になるかもしれない」と心構えは十分だった。

 序盤に点差を付けて4―0。しかし、ここから受け身になってしまい、4―3と追い上げを許した。「先行して気持ちに余裕ができたが、逆に引いてしまった。カウンターは狙いすぎてうまくいなかった」と反省も。しかし、最後に突きを決めて引き離して勝利をつかんだ。「試合運びをもっと工夫したい」と気を引き締め直していた。

 次鋒の當銘琉粋(るい)は体も大きくリーチも長い相手との対戦。「やりづらかったが、相手の動きをよく見て落ち着いて戦えた」と得意の中段突きで逆転勝利した。副将の金城亨鷹は完勝し、その後の個人戦も制して2冠を達成した。

 浦添は個人形、団体組手を男女とも制覇。當銘は「女子にも、フットワークや相手との距離感、フェイントなどの技術を共有している。形のメンバーから助言をもらうこともある」と雰囲気の良さを語る。男女、種目の垣根を越え、チーム一丸で成長を続けている。 (大城三太)

女子団体組手決勝 大将戦に勝利し、優勝した浦添の三浦麻姫琉(右)

女子団体組手

 女子団体組手は浦添が沖縄尚学との接戦を制した。2―2と並び、勝負は大将の三浦麻姫琉(まひる)に託された。譲らない攻防が続き、最後は終了間際の上段蹴りで勝利を呼び込んだ。「内心焦りもあったが、冷静に一つ一つ取ろうと自分に言い聞かせた。総体に向けて弾みがついた」と喜んだ。相手選手は上背があり、パンチやキックのリーチで劣るも、うまく防御しながら懐に入る積極性を発揮した。

 競り勝って大将へと勝負をつないだ副将の八木美心は「選抜で負けた悔しさをみんな試合にぶつけていた。これまで最高の全国16強以上の成績を全国総体で果たしたい」と高みを見据えた。
 (大城三太)

最後まで気持ち切らさず

 男子個人組手を制した金城亨鷹(浦添高3年) 久しぶりに決勝まで進み最後まで気持ちを切らさなかった。準決勝の伊礼龍寿(前原)に接戦で勝ち、決勝は仲村健杜(美里工)に逆転で勝利できた。組手の主将として結果が残せてうれしい。

引かずに前へ出た

 女子個人を制した佐藤永理(沖縄尚学3年) ここ1年、間合いがうまくつかめず、前に出ることに恐怖心があった。周りから「自信を持って前へ出て圧をかけて」と助言された。決勝でも、引かずに前へ出る動きが実践できた。