プロ野球のソフトバンクなどで活躍した吉村裕基さんが2020年シーズンに所属した、琉球ブルーオーシャンズの報酬の一部が未払いだとして、球団の運営会社に支払いを求めた訴訟の判決で、那覇地裁(福渡裕貴裁判官)は25日、請求を認め、球団側に約300万円の支払いを命じた。
判決によると吉村さんは19年12月に、20年12月末までの契約を締結した。20年4月、球団側から2カ月分の報酬を減額すると提案され、2カ月分は同意した。その後も報酬の一部しか支払われなかった。
球団側は、減額の代替措置として個人スポンサーによるスポンサー料の取得を認めており、減額の合意があったと主張した。福渡裁判官は「スポンサー料の取得が代替措置だということに原告が同意したとは認められない」と判示。減額の合意は成立せず、球団側は報酬の全額を支払う義務があるとした。
吉村さんの代理人の宮島渉弁護士は、ブルーオーシャンズでは20年4月以降、他の選手も報酬を減額されているとし「吉村さんは、泣き寝入りは他の選手や球界のためにならないとの思いで提訴に踏み切った。選手たちが安心して野球に打ち込める環境につながれば、うれしい限りだ」とコメントした。