復帰前夜、南風原の役場では…元職員が当時を振り返る 南風原文化センターで企画展、17日まで


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町民ら100人以上から聞き取った復帰にまつわるエピソードなどの展示=4月29日、南風原町喜屋武の南風原文化センター

 【南風原】南風原文化センターは17日まで、企画展「復帰50周年 私たちが『日本』にかえったとき」を開催している。入場無料で、水曜日は休館。4月29日には元役場職員5人が、復帰前後の「南風原村行政の動き」をテーマに語った。

 神里良光さん(75)は「条例や予算の見直しでてんてこ舞いして、5月14日の議会は時計を止めて夜遅くまで審議した」と振り返った。赤嶺勝則さん(79)は「役場に唯一あった電話は下4桁が『2332』で、日産サニーが発売された時には販売元から番号を譲らないかと、何度か電話が掛かってきた」と当時を思い返した。

 企画展は復帰前後の南風原での出来事や生活の様子を年表や写真、エピソードなどで紹介。「(復帰後は)建築費が上がるといううわさがあり、増築や新築がブームになった」「本土に就職した姉が入院したが、パスポート申請に日数がかかり、姉の元に行けたのは姉の死後1週間程たってからだった」といった証言も。

 7日午後3時からは沖縄戦後史を研究する学者らによるシンポジウム「沖縄近現代史を語る」、15日午後2時からは南風原小・中学生によるワークショップ「南風原の子どもたちが考える5・15」が開かれる。

 8日午前10時~正午には、復帰当時の南風原を歩いて巡るワークショップを実施する。15人限定で要予約。問い合わせは同センター(電話)098(889)7399。
 (比嘉璃子)