基地なき未来描く 照屋勇賢さん 那覇で展覧会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
照屋勇賢さんの作品展で展示されている作品「コーラス」=3日、那覇市久茂地の那覇文化芸術劇場なはーと(ジャン松元撮影)

 沖縄の日本復帰50年企画として、県出身美術家の照屋勇賢さん(48)=ドイツ在住=の展覧会「コーラス」(那覇市主催)が3日、那覇市の那覇文化芸術劇場なはーとで始まった。復帰翌年の1973年に生まれた照屋さんが沖縄の自然や沖縄戦、基地問題と向き合い、未来に思いをはせながら生み出した作品を展示している。

 木製パレット(荷台)を山のように積み上げた作品「コーラス」には「街中に新たな御嶽(うたき)をつくる」という思いを込めた。新作「空へ1」は分断の象徴であるフェンスを風船で浮上させた作品。フェンスが取り払われたことで何かが生まれそうな希望を抱かせる。紅型作家の金城宏次さんと共に作った紅型衣装には、基地のない未来の沖縄などを描いている。

 照屋さんは「復帰によって改善されたこともあるが、基地や人権の問題は今も解決していない」と指摘する。「展覧会がエネルギーや希望を与え、ワクワクするようなものになればいい」と話した。

 展覧会は6月26日まで。入場無料。問い合わせは、なはーと(電話)098(861)7810。
 (伊佐尚記)