キングス東西首位対決を制す 千葉Jに92-84 天皇杯の雪辱果たす 高い集中力でアタック 第54戦


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琉球―千葉 第4クオーター、ゴール下に攻め込み、シュートを決めるキングスのドウェイン・エバンス=4日、沖縄市の沖縄アリーナ(小川昌宏撮影)

 プロバスケットボールBリーグ1部西地区1位が確定している琉球ゴールデンキングスは4日、沖縄アリーナで東地区1位の千葉ジェッツと今季第54戦を行い、92―84で勝利した。通算成績は48勝6敗。1点リードで入った第2クオーター(Q)、堅守からの速攻やリバウンド力など持ち味を最大限に発揮し、45―32とリードを広げた。第3Qの終盤から攻撃リズムに乗る千葉に激しい反撃を受けたが、第4Qは高い集中力を維持し、厳しい体勢からのシュートを決めるなど振り切った。過去最多で満員の8千人余が入場したファンを好プレーで沸かせ、東西首位決戦を制した。次戦は7日に同会場で広島ドラゴンフライズと戦う。

 2月の天皇杯準決勝で敗れた千葉にキングスが雪辱を果たした。出場した選手全員が高い集中力でゴールにアタック。今季キングスの武器となっている3ビッグの一角で万能なアレン・ダーラムを欠く中でも、5選手が二桁得点に乗せた。全てのクオーター(Q)で20点以上奪い、前年王者の千葉を相手に流れを渡さなかった。

 キングスは試合開始から勢いよく攻め立てた。岸本隆一の3点弾を皮切りに、古巣相手に奮起したコー・フリッピンが躍動した。前半、長身相手に攻撃リバウンドも奪うなど10得点で得点差を広げ、チームを引っ張った。

 桶谷大HCは「今日は序盤にファーストパンチを打てるかどうかがポイントだった」と立ち上がりの勢いを勝因の一つに挙げた。

 第3Qは千葉のジョン・ムーニーに13得点を許すなど猛攻を受けるが、ドウェイン・エバンスが連続で3点弾を沈め、チーム最多の30得点を挙げるなど、高い集中力でチームを勢い付かせた。

 千葉は現在、東地区優勝へマジック2。キングスにとって、東地区首位からの勝利は、チャンピオンシップ(CS)に向けての勢いとなる。エバンスは「今日は強敵に対して勝てた。CSでは精いっぱい尽くして勝利を収めたい」と先を見据えた。
 (野添侑麻)


キングス 48勝6敗
92―84(21―20,24―12,25―28,22―24)
千葉J 33勝10敗

 【評】キングスはゴール下への積極的な仕掛けで得点機をつくり、外してもリバウンドで第2次攻撃につなげるなど第2クオーターに流れを引き寄せリードを広げた。後半に追い上げを受けたが、取られても取り返す攻撃圧力を維持して競り勝った。

みんなが意識持って

 桶谷大HC(キングス)の話 やるべきことをみんなが意識を持ってプレーしたことが素晴らしかった。誰が出てもそれをやれた。天皇杯のリベンジができたのも良かったが、超満員の中で千葉相手に実行してくれた選手に感謝したい。

ボール保有、上回られた

 大野篤史HC(千葉)の話 セカンドチャンスを取られるなどボール保有の時間帯をキングスに上回られた。準備してきたことが出せなかった。得点を取らないといけない時に、我慢強く攻撃ができていない。焦りが出ていたなと思う。