JTA、目標達成へ夏休みに照準 2期連続赤字「強気で需要喚起を」


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2022年3月期決算を発表する日本トランスオーシャン航空の野口望社長=6日

 日本トランスオーシャン航空(JTA)の2022年3月期決算(速報値)は2期連続の赤字で「大変厳しい状況」(野口望社長)となった。一方、需要回復を背景に、22年度は2倍以上となる401億円の売上高と収益の黒字転換を見込むなど、強気な姿勢も見せた。新型コロナウイルス感染拡大の先行きに不透明感もある中で、目標達成に向けまずは夏休み期間中の需要喚起に照準を合わせる。

 21年度はコロナの影響で、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などの行動制限期間が、東京や沖縄では20年度比で2倍前後の長さとなった。それでも売上高はほぼ同規模の水準を維持した。JTAが黒字転換を見込む背景には、こうした「ウィズコロナの明るい兆し」(野口社長)がみられるとの現状認識がある。

 22年度は上半期がコロナ前の6~9割、下半期が7~9割、年平均では85%程度まで需要が回復するとの見立てを描き、旅客数は新型コロナ流行前の19年度の約9割に当たる262万人程度を予想している。ゼロの状況が続く訪日客(インバウンド)についても一部回復を見込む。

 ただ、目標達成には不透明感も漂う。コロナの状況や燃油価格の高騰、政府の「Go To トラベル」や県の「彩発見キャンペーン」の見通しなど、多くの外部要因に左右されるためだ。

 視界不良の厳しい状況は続くが、野口社長は「昨年は夏に非常に苦しくなったことが大きく響いた。夏休み期間が需要ピークになるので、強気で需要喚起をしていきたい」と見据えた。

(當山幸都)