FC琉球、最下位低迷、守備に不安 空中戦の弱さ改善へ


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琉球―盛岡 後半残り約3分ほどで逆転され肩を落とす琉球のメンバーら=3月5日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(喜瀬守昭撮影)

 サッカーJ2のFC琉球はシーズン42試合中3分の1となる14試合を消化した。勝ち点は7にとどまり、最下位の22位と低迷している。失点30もワーストだ。今季は6チームが新たな顔ぶれとして加わり、熾烈(しれつ)な戦いを繰り広げる。琉球はJ1から降格した大分、仙台、横浜FCにいずれも2点差以上で敗れ、徳島とは5月29日に対戦する。

 J3から昇格したいわてにも敗れ、熊本とは8日に対戦を控える。今季の課題を探った。
 

■サイドが弱点

 先制点を奪っても踏ん張れずに勝ち星を逃すことが多いのが今季の特徴だ。浮上のきっかけをつかめずに、負けや引き分けが立て込み試練が続く。紙一重で敗れる試合も多く、選手たちにももどかしさが漂う。セットプレーから得点を許したり、集中を欠く序盤や終了間際に失点をしたりと、昨季からの課題を引きずる形で守備の不安定感がつきまとう。特にサイドバックを突かれての失点が目立つ。空中戦のもろさを認識し、クロスを容易に許さないことが今後の改善ポイントだ。
 

■プレスが鍵に

 4月30日の新潟戦は引き分けたが、前線からプレスでボールを奪い好機を増やした。守備陣も連動してパスコースをかき消した。一方で、下からボールをつなぎ保持しながら好機をうかがう、琉球のビルドアップには陰りが見える。プレスが強い相手に対し、簡単なミスやGKまで下げて追い込まれる場面も見られ、高度な戦術を体現できないゲームもあった。プレスの度合いで戦い方やリズムを変えるための戦術を選ぶ器用さも求められる。
 

■ちらつく降格

 22チーム中、下位2チームはJ3降格となる。このまま勝ち星を逃す試合が続けば、J2残留が危うくなる。勝利でチームの存在感を示し、浮上の足掛かりをつくるしかない。チームのキーマンとなっているのが清武功暉だ。切れのある動きでチームを引っ張り、攻撃面で得点を生み出す起点となっている。ここ数試合でセンターバックに起用され、堅実なプレーをする上原牧人の成長は明るい材料の一つだ。アウェーまで足を運ぶサポーター、ホームで応援し続けるファンのためにも、何としてでも勝利をつかむしかない。

 (大城三太)