【一問一答】玉城デニー知事「アジア全体の平和の構築を」 沖縄復帰50年の建議書


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玉城デニー知事(資料写真)

 玉城デニー知事と記者団のやりとりは以下の通り。

 ◇ ◇
 ―辺野古新基地建設断念を盛り込んだ理由は。

 「普天間飛行場の一日も早い危険性の除去という観点から、当初の考え方に立って、どのようにすれば市民・県民の負担軽減に繋がるかということについては、やはり建議しなければならないと思う」

 ―屋良県議書では自衛隊配備にも反対している。新たな建議書には自衛隊には触れていないが、当時と今の違いは。

 「私は日米安全保障を認める立場であり、専守防衛という名目における組織としての自衛隊を認めている。50年前は自衛隊も含む基地のない平和な島の実現に一層取り組むことということが県民の願いであった。その願いは、理念としては生きてると思う」

 「この建議書の中でも、アジア全体の平和の構築に向かって、信頼醸成に向かって沖縄県は取り組んでいくということを改めてしたためた」

 ―基地問題に関する世論を呼び起こさせたいという思いがあったのか。

 「世論を喚起するというよりも、沖縄の未来に向けて課題を確認し、将来に残してはいけないと訴えた。その解決のために不断の努力を政府に対しても求め、またわれわれも自ら県民とともに歩んでいくというような思いを建議書に記述した」

 ―「構造的差別」という文言を使った理由は。

 「沖縄に(専用施設の)7割もの米軍基地が集中している。安全保障は国全体で担うべきものであるという観点からすると、沖縄の7割はあまりにも依存が強すぎる。有識者からは差別的であるという捉え方があるので、この表現にした」