琉銀の元支店長が4400万円不正貸し付け 出資法違反の「浮き貸し」 昨年の不祥事調査中に発覚


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
行員の不祥事を受けて謝罪する琉球銀行の川上頭取ら=9日午後、那覇市の同行

 琉球銀行(那覇市、川上康頭取)は9日、50代男性の元支店長が計4400万円を正規の手続きを経ずに貸し付ける不正を行っていたと発表した。「浮き貸し」と呼ばれる行為で、出資法で禁じられている。元支店長は相談を受ける過程で、謝礼として3万円も受け取っていた。

 琉銀によると、元支店長は2015年6月、以前の支店勤務時の取引先代表に対して、土地の購入資金の不足分2千万円を自己資金から貸し付けた。また、以前知り合った顧客複数人にも協力を依頼し、取引先代表に2400万円を貸し付ける媒介にも関わっていた。元支店長は現在、同行本部で勤務しており、貸し出しについては事実を認めている。

 琉銀では昨年12月、別の元行員が2006~21年にかけて約2億1千万円を不正に流用していた不祥事が発覚。その後の調査で、今年4月に今回の不正が新たに判明したという。昨年発覚の不祥事について、同行は4月28日、沖縄県警に詐欺罪の刑事告発状を提出した。

 9日に記者会見した川上頭取は、相次ぐ不祥事について「非常に重く受け止めている。信頼をどう回復していくか、経営陣、幹部職員、行員一人一人がコンプライアンスの重大さを改めて確認していく」と謝罪した。

 琉銀は第三者を交えて不祥事防止に向けた特別委員会を設置。詳細な調査や再発防止の策定に向けた議論を進めるとしている。