長さ650メートル「津波のビーチロック」を天然記念物に 沖縄・大宜味村


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津波の海岸から対岸の宮城島(右奥)の方向へ650メートル以上にわたって伸びる「津波のビーチロック」=19日、大宜味村

 【大宜味】大宜味村はこのほど、「国頭郡大宜味間切各村全図及び字図」を村指定有形文化財に、「津波のビーチロック」を村指定天然記念物に指定した。村指定の有形文化財は初めて。今回の指定で村指定文化財は4件になった。

 「国頭郡大宜味間切各村全図および字図」は、沖縄土地整理法が施行された1899年から、沖縄県島しょ町村制の施行で大宜味村が誕生した1908年ごろに作成された地図で、計58点ある。

 1879年の琉球処分(沖縄県設置)後の土地整理事業や村の変遷を知る手掛かりとなる資料だ。本土と同等の税徴収制度への変更に当たって活用されたとみられる。

 「津波のビーチロック」は、津波の海岸から対岸の宮城島の方向へ650メートル以上にわたり、湾を閉ざすように形成された板干瀬(いたびし)で、海岸線に平行な一般的な板干瀬と比べて特異な形態だ。規模としても貴重だという。

 村教育委員会の森下愛子さんは「他市町村と情報交換し地図の解明を進めたい。津波のビーチロックは保護を啓発し、未来に残したい」と話した。

(岩切美穂)