【知事一問一答】「平和の重さこれからも変わらず」 沖縄日本復帰50年これまで、これから


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日本復帰50年の節目に合わせ、報道陣のインタビューに応える玉城デニー知事=9日、県庁(喜瀬守昭撮影)

 沖縄の日本復帰50年に合わせた報道各社インタビューでの玉城デニー知事の一問一答は次の通り。

―これからの50年で目指すべき沖縄像は。

 「復帰50年という節目から始まる新たな振興計画では、従来の社会と経済に加えて環境というSDGsにのっとった基軸にした。誰一人取り残すことのない優しい社会の形成などの基本方向を示した」

 「ロシアのウクライナ侵攻に見るように、戦争は人命はもちろんのことインフラを破壊するなど決してあってはならない。沖縄でも2001年の米中枢同時多発テロでは観光関連産業が風評被害を受けた。やはり平和だからこそ観光産業が維持される。先の50年を見通しても、平和の重さはこれからも変わらない」

―辺野古新基地建設問題に対する県と国の政治姿勢の違いによって沖縄関係予算が増減される不安定な状況だ。

 「新基地建設は到底認められないとの思いは県民ともに堅持している。県民の思いが予算の編成などに影響を与えていることはないのであろうと考えている。それは決してあってはならない、不当な考え方だ」

 「政府関係者の基地と振興の『リンク論』を認める発言も、基地の跡地利用が進めば振興につながるという意味で使われていると認識している。基地の跡地利用と振興はリンクしているという考え方は私も納得できる」

―沖縄が目指す自立型経済の構築とは。

 「県外や海外から獲得した資本が域内自給され、循環していくことを自立型経済の基本的な安定性として捉えたい。そのための人材育成を図り、生産性の向上につなげ、産業全体の収益力を高めていく」

―復帰50年の意味を日本全体で捉えると。

 「沖縄の置かれている基地負担の現状を日本国民全体で考え、安全保障について問題提起する形で受け止めてほしい。基地は『自分たちのところには来てほしくはない』との意見も多いが、基地問題がはらむ根本的な問題をもっと分かってくれればそういう意識をどこに向けるべきかが見えてくる。沖縄からさまざまな情報発信を続けていきたい」