高校ゼロ校時「見直しを」 県教委 生徒に合った学び要求


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 多くの県立高校で実施されている早朝講座(通称ゼロ校時)の在り方を見直すよう、県教育委員会が今年3月に全高校に依頼文を出していたことが10日、分かった。ゼロ校時はPTAが学校に依頼する形で実施している教育課程外の授業で、学校によって全員参加制や希望制、特進クラスだけの実施など違いがある。本紙の調べによると、県内では少なくとも31校が早朝講座を実施、そのうち9校が見直しを進めている。いくつかの学校は4月から希望制に変えた。

 県教委は県内のゼロ校時実施状況を把握していない。県教委が見直しを求めた背景には、本年度から実施されている新学習指導要領がある。「主体的・対話的で深い学び」の実現が求められていて、自分に合った学び方の確立を目的としている。文書には「必要に応じて保護者や職員、生徒の意見を聞くなど、関係者の理解を得た上で実施するように」と記した。

 早朝講座は学力向上を目的に、1986年に開邦高校がゼロ校時として取り入れて以来、多くの学校で実施されている。午前7時半ごろから、45~60分程度。担当教師は兼職兼業依頼を県教委に提出する。報酬はPTAから出ており、学校によって金額が違う。

 早朝講座だけで年間最大約300時間の確保が可能となる。早朝の登校や受講に負担を感じている生徒や保護者がいる一方、希望して受講する生徒も多い。県教委は「将来的に、教師の働き方改革にもつながってほしいという期待もある」と説明した。

 (嘉数陽)