負担軽減か学力向上か 県立高校ゼロ校時見直し、学校や保護者、意見さまざま


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 負担軽減を取るか、学力向上を取るか―。県教育委員会が呼び掛けた早朝講座(通称ゼロ校時)の見直しを巡り、学校や生徒、保護者で意見が割れている。廃止で教諭・生徒共に早朝からの負担が解消されることに期待の声がある一方、基礎学力の向上や受験のために継続を求める声も根強い。

 那覇国際は5月7日のPTA総会で、来年度から廃止する方針を保護者に説明した。現在は希望制への変更も含めて検討中。2学期中にも方針を固める。

 南部のある高校の教頭は「学力観も変わってきた。時代に応じてシステムを少しずつ見直していく一つの契機だと思う」と話した。中部の高校の教頭は「希望制でやっている。部活引退後は特に参加率が上がる」として、ニーズの高さを強調した。すでに段階的に廃止することを決めている南部の高校は「教師の負担軽減の意図もある」と説明した。

 進学校に勤める女性教師は「頑張っている生徒たちを前にしては言えないが、正直ほっとしている。負担軽減のきっかけになる」と胸中を明かした。40代の保護者は「塾代は年間数十万かかる。経済的に厳しく、廃止は困る」と継続を希望した。中部の高校に娘を通わせている40代の女性は「娘は朝が苦手で行きたがらない。私は継続してほしいけど、教師不足のニュースを見ていると仕方ないのかなと思う」と苦笑いした。(嘉数陽まとめ)