具商デパート 喜び届ける接客目指し リウボウと初の連携


この記事を書いた人 外間 聡子
デパートリウボウの我那覇学店長(右)からスーパーと百貨店の違いなどを学ぶ具志川商業高校の生徒たち=8月14日、那覇市のデパートリウボウ

 県立具志川商業高校の生徒たちが仕入れから販売までを実践する「具商デパート」。例年、約2日間にわたり校内で開かれるが、ことしは初めて県内唯一の百貨店、デパートリウボウ(那覇市久茂地)との連携が実現した。リウボウは主に人材育成の分野で協力する。8月には生徒のインターンシップを受け入れ、商品知識や接客マナーを伝授した。11月には我那覇学店長が、同校の全生徒対象に講話を予定しており、伝統ある「具商デパート」に新しい風が吹いている。

 具商デパートは同高校の1~3年生まで全15クラスが個別に商品の仕入れ先を決め、広告、販売、商品管理、経理などを手掛ける。ことしは2年生と3年生の2クラスがリウボウとの商品取引を希望した。リウボウとの連携は、うるま市グッジョブ連携推進事業を受託している「ジョブリッジ研究所」(赤嶺久美プロジェクトマネージャー)が、キャリア教育事業の一環として、リウボウに働き掛け実現した。

 8月14日には2クラスの生徒代表6人が、那覇市久茂地のリウボウに我那覇店長を訪ね、百貨店の特徴や販売員の心構えを聞いた。「スーパーと百貨店の違いは何ですか」。生徒の質問に我那覇店長は「デパートは商品を介してお客さまに満足と喜びを届ける場所。商品の特徴を説明して、安心して買っていただく。お客さまの生活が豊かになるようなお手伝いをしている」と笑顔で答えた。

 デパートの定義として我那覇店長は「スーパーの売り場に販売員はほとんどいないが、デパートは50%以上の商品を接客販売できるぐらいの販売員を配置している」と続けた。

デパートリウボウでインターンシップを体験した具志川商業高校の生徒たち=8月20日、那覇市のデパートリウボウ

 8月20、21日に実施されたインターンシップで生徒たちは紳士服売り場や雑貨店などの店頭で接客マナーを学んだほか、バックヤードにも入り、大量の商品がめまぐるしく出入りする様子を目の当たりにした。

 インターンシップを終えて具商デパート副社長の喜屋武凌司君(3年)は「デパートは高い商品を売るというイメージから、接客でお客さまに喜んで買い物していただく店という印象に変わった」と感想をつづった。

 3年生の松田彩那さんは「店員の対応は売り場の商品配置がきちんと考えられていた。デパートは特別な物を買いに行きたくなるような場所というイメージが強くなった」と実感した。

 我那覇店長は生徒たちに「観光客が年々増え、沖縄経済の将来は明るい。自分の枠に入らず、さまざまなことに挑戦してほしい。できないと諦める前に、どうやったらできるかを常に考えてほしい」とエールを送っていた。

 ことしの具商デパートは12月5、6日に同校で開催される。

<用語>具商デパート

 年1回開催される具志川商業高校の一大イベントで、生徒が商品の仕入れから販売まで手掛ける。昨年は雑貨、パン、紅イモ菓子、キャラクターグッズなどを販売。マグロの解体ショーも目玉となっている。体験的な学習を通し、学習意欲を高めようと1994年から毎年開催されている。昨年は約6400人が来場し、約524万8千円を売り上げた。