琉銀、11期ぶり減収増益 3月期連結 顧客向けサービス堅調


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 琉球銀行(川上康頭取)は11日、2022年3月期連結決算(対象子会社6社)を発表した。売上高に当たる経常収益は前期比0・5%減の570億1100万円、経常利益は同2・1倍の79億3千万円、純利益は同2・2倍の55億9千万円で、経常利益ベースで11期ぶりの減収増益となった。与信コストの反動減と、顧客向けサービス利益の堅調な推移が増益につながった。

 琉銀単体では経常収益が同3・5%増の386億8800万円、経常利益は同3倍の69億9600万円、純利益は同3・2倍の51億9500万円と大幅な増益となった。本業のもうけを示すコア業務純益は同23・5%増の73億9500万円。

 琉銀は前期、債権回収ができない場合に備える一般貸倒引当金について、将来の景気予測などを踏まえた「フォワードルッキング」と呼ばれる手法を導入。単体で引当金が20億円余増加したが、22年3月期はその反動で積み増しはなく、与信コスト合計は40億4200万円減となった。

 琉銀が重視する顧客向けサービス利益は32・9%増の50億9700万円で、カードビジネスの手数料など役務利益が増加をけん引した。

 川上頭取は「コロナ前にほぼ近い水準までV字回復できた。引き続き事業者支援を徹底する」と語った。

 23年3月期の業績予想は経常収益が1・8%減の560億円、経常利益が0・9%減の80億円、純利益が1・6%減の55億円と見通している。

 (當山幸都)