<広げようピンクリボンの輪>ゴルフコンペで啓発活動、自販機で寄付 乳がん検診 企業も支援 地域に貢献、患者らの力に 10月はピンクリボン月間


この記事を書いた人 外間 聡子
乳がん検診を受けるきっかけにしてもらおうと、毎年開かれている「琉Cueピンクリボンチャリティーゴルフコンペ」

 10月は、乳がんの正しい知識を広め、検診の受診を促進するピンクリボン運動の推進月間。県内では、独自の活動で患者会や医療機関を支援する動きが出ている。地域貢献として企業が行う点も大きな特徴で、継続的に取り組む姿勢が患者へ大きな力を与えている。(新垣梨沙)

 乳がんは、早期発見・早期治療で9割が治るとされ、検診の重要性が伝えられている。

「ぴんく・ぱんさぁ」の与儀淑恵代表(右から2人目)に寄付金を手渡すキューカンパニーの駒木根澄子代表(中央)

男性も関心を

 ゴルフ用品の販売・企画をするキューカンパニー(駒木根澄子代表)は、2012年度から乳がん検診受診券を特典にしたチャリティーゴルフコンペを開き、収益の一部を医療機関や乳がん患者の会に寄贈している。活動のきっかけは、駒木根代表の母勝枝さんが10年前に乳がんを患ったこと。闘病を間近に見て、患者の支援の大切さや検診の重要性を痛感したという。

 3年間で約400枚の乳がん検診無料券を配布したほか、収益を活用して那覇西クリニックや豊見城中央病院に、触診モデルを寄贈した。

 9月9日には、14年度のコンペの収益の一部10万円を乳がん患者の会「ぴんく・ぱんさぁ」(与儀淑恵代表)に贈った。駒木根代表は「ゴルファーの9割は男性。男性も乳がんに関心を持ってもらいたい。検診受診券を手にして、妻や母親に手渡してほしい」と話す。

ピンクリボン活動支援のため設置されたピンク色の自動販売機=浦添市城間

1本につき5円

 沖縄コカ・コーラボトリング(高橋俊夫社長)は、2010年から、売り上げの一部が、「ぴんく・ぱんさぁ」に寄付されるピンク色の自動販売機を県内各地に設置している。1本につき5円が寄付される仕組みで、飲料の値段は変わらない。設置者の負担も、月々の維持費のみで、設置箇所は当初の浦添市城間の同会サロン前から、那覇市から沖縄市までの本島と宮古島市へと徐々に広がり、15年度は計15台になった。

 同社は、全国肢体不自由児・者父母の会連合会の活動を支援する自販機を1980年に設置するなど、早くから地域貢献を展開してきた。ピンクリボン活動支援は、10年の法人営業課への女性登用を機に始まった。同課の桃原善和課長は「同じ自販機でも、ピンク色の自販機で買うことで、一人一人が気軽に支援できる仕組みだ」と話す。

 「ぴんく・ぱんさぁ」の与儀代表は「ゴルフを通して男性に活動をPRしてくれることで、病気への理解が広がることをありがたく思う。ピンク色の自販機を見ると、1人じゃないよ、と患者を勇気づけてくれている気がする。それがうれしい」と感謝し、活動の広がりに期待した。

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 気軽にできる支援

 ◆キューカンパニーは「第4回琉Cueピンクリボンチャリティーゴルフコンペ」を11月10日、南城市の琉球GCで開く。男女のゴルファー40組160人を募集中で、参加費はキャディー、チャリティー金、コンペ参加費込みで1万3800円。希望者には乳がん検診無料券が配られる。問い合わせは、キューカンパニー(電話)098(987)0077。

 ◆ピンクリボン活動自販機の問い合わせは、沖縄コカ・コーラボトリング法人営業課(電話)098(877)5255。