城東・城北小で「しゅくだい教室」 学童が指導員派遣 1年生対象 「やる気」引き出す


この記事を書いた人 外間 聡子
指導員に問題の解き方を教わりながら、熱心に宿題に励む1年生児童たち=1日、那覇市の城北小学校

 那覇市首里の児童クラブ(学童)が放課後、ボランティアで小学校に指導員を派遣し、1年生児童の宿題の面倒を見る「しゅくだい教室」を実施している。学童に通っていない児童も対象にしているのがユニークで、県内でも珍しい取り組みだ。宿題をするリズムができていない1年生を「集団の力」を借りてやる気を引き出そうという試みで、児童は互いに刺激を受けながら意欲的に机に向かっている。

 城東小の校区内にある汀良児童クラブと城北小校区の首里児童クラブの代表を務める金城博之さん(43)が、学童に通っていない児童の学習支援もしたいと提案し、昨年度から試験的に城東小で始まった。

 両校で本格的に開講したのはことし5月。那覇市の「放課後子ども教室」推進事業として校内の空き教室を活用する。

 城東小には週3日、学童の17人と地域の10人、城北小は毎日、学童の17人と地域の7人が机を並べる。指導員に教わりながら児童たちは、算数の計算問題を解いたり、漢字の書き取りに励んだりしている。

 周囲の友達と競うようにして宿題を仕上げた城東小の根間陽向(ひなた)君(7)は「家ではお母さんに『ここも違う』って怒られるけど、ここでは怒られないからいい」と朗らかに話した。城東小PTAの仲田米男会長は「放課後の児童の安全確保にもつながり、とても助かっている。働く親の子育て支援にもつながる」と取り組みを喜ぶ。

 城北小の教室に息子の光輝(みつき)君が通う神谷智子(さとこ)さん(33)は、光輝君が習い事で教室を休む日も、帰宅後すぐに宿題に取り掛かるようになったとうれしそうに話す。「家では採点だけで済み、息子とゆとりを持って会話ができる」と声も弾む。

 指導員の新里由美子さん(52)は「集団でやることでいい競争心を生み、目まぐるしく伸びた子もいる。教え合うことで助け合いの気持ちを学ぶこともできている」と話した。(新垣梨沙)