基地「自分事として」 平和行進 県外から50団体参加


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3年ぶりの平和行進を前に行われた結団式で、登壇者のあいさつに拍手を送る参加者ら=13日午後、那覇市久茂地の那覇文化芸術劇場なはーと(喜瀨守昭撮影)

 新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの実施となる平和行進。日本復帰50年を前に14日、県外から約50団体、県内の約20団体の計約千人が米軍基地の集中する本島中部を歩く。13日、結団式に集まった県外出身者らは、台湾有事などの戦争を避ける必要性や、沖縄の過重な基地負担の解消を「自分事」として考える大切さを口にした。

 12回目、3年ぶりの参加となる福岡県北九州市の山下緑さん(71)はロシアのウクライナへの軍事侵攻を受け「日本も戦争の方にいくのではないか」と懸念を強める。

 山下さんは初めて平和行進に参加した時、広大なフェンスが広がる基地の光景に強い疑問を抱いた。基地集中の背景に沖縄戦があることを孫に伝えている。孫も沖縄の歴史に興味を持ち始めていると言い「体力が続くうちに、いつか孫と参加したい」と話した。

 島根県益田市から初めて参加する西谷美穂さん(21)=市職員=は「沖縄は同じ日本ではあるが、外国というイメージがあった。実際に来て学ぼう」と参加を決めたという。同じく初参加の長崎県平和運動センターの溝口裕基さん(38)は、沖縄の基地負担解消を求める声と県外との間にある溝について「自分もどこか人ごとで沖縄に押し付けていた。自分たちの問題として、どうすれば解決できるのか考えていきたい」と話した。

  (中村万里子)