FC琉球ホーム初勝利 池田と中野、光る献身プレー 栃木に1-0


社会
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 サッカー明治安田J2第16節第1日の14日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで栃木SCと戦い、1―0で破って今季ホーム初勝利をつかんだ。2連勝となった。前半は主導権を握り、12分に草野侑己が5試合連続となる得点で先制した。後半もペースを握った。終了間際は何度も攻められたが、チーム一丸でしのぎ得点を許さなかった。喜名哲裕監督は新型コロナウイルスの濃厚接触疑いのためベンチ入りできず、倉貫一毅ヘッドコーチが指揮を執った。喜名監督はPCR検査を受けて陰性が確認されている。通算成績は3勝9敗4分けで勝ち点13。順位は最下位を脱出して21位。次戦は21日、同スタジアムでヴァンフォーレ甲府と対戦する。
 

(1)タピスタ
琉球 3勝4分け9敗(13)
 1―0(1―0,0―0)
栃木 3勝6分け7敗(15)
▽得点者 【琉】 草野(7)
▽観客 1798人

 【評】栃木は丁寧にパスをつないだが、ダイレクトパスや早めのクロスが少なかったことで脅威は半減した。プレスは強くなく、琉球は前半からボールを支配した。後半は左サイドからの攻めが有効だったが、最後のシュートまで持ち込むことができなかった。


 

琉球―栃木 前半、先制ゴールを決め、アシストした琉球の池田廉(左)と抱き合って喜ぶ草野侑己=14日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(喜瀬守昭撮影)

 中盤両サイド2選手の献身的な動きが光り、FC琉球は待ちに待ったホーム初勝利を手にした。豊富な運動量でピッチを駆け回った右の中野克哉、左の池田廉はポジションにとらわれることなく、臨機応変に左右を行き来した。固定観念に縛られず、攻守で器用につなぎ役を担った。

 草野侑己の5試合連続となる得点も、2人の絡みから生まれた。中野の縦へのクロスに、左の池田が必死に滑り込んで折り返した。池田は「試合を重ねるうちに2人の特長も把握し、うまく連係できている」と手応えを語る。

 中野は「勝利こそ、チームが良くなる材料。今日はしぶとく勝てた。この流れを途切れさせたくない」とここからの巻き返しを誓う。

 一方でDF陣に不安要素も残した。センターバックの岡﨑亮平主将は、後半に負傷退場。上原牧人は前節の熊本戦でリ・ヨンジと空中戦で頭をぶつけて負傷し、今節を欠場している。

 チームは引き分けや黒星が続いた長いトンネルから脱しつつある。

 池田は「一人一人が自分の役割をまっとうしての勝利。シーズンは長く、悪い時期もある。ベテランが声掛けをしてくれて、いい雰囲気作りをしてくれている」と上昇気流を肌で感じている。

(大城三太)


勝ち点3届けられた

 倉貫一毅HC(琉球)の話 サポーターのためにホームで勝ち点3を届けられてほっとしている。最後は(攻め込まれるなか)守備陣を含めてよく守ってくれた。後半は相手ウイングの選手を押し込めて、左サイドから有効に攻めることができた。
 

焦りやずれあった

 時崎悠監督(栃木)の話 勝ち点3も得点も奪えず、9試合未勝利は非常に痛い。立ち上がりは悪くなかったが、ボールを失ったことをきっかけに流れを渡した。後半も押し込まれる時間帯があり、焦りやちょっとしたずれがあった。