沖縄の歴史多くの人に知ってほしい 若者代表2人が発信 <復帰50年式典>


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 日本復帰から50年の節目となった15日、東京と沖縄では沖縄県と日本政府主催の「沖縄復帰50周年記念式典」が開かれた。式典や式典後のレセプションでは若い世代が躍動し、次代を担う若者らの力強さが沖縄の明るい未来を想起させた。県出身のテノール歌手、新垣勉さんが国歌独唱を担当。空手の形の演武も披露された。


平和な時代引き継ぐ 若者代表・普天間真也さん

若者代表であいさつする普天間真也さん

 普天間真也さん(31)は沖縄伝統文化を継承する活動をしている県青年団協議会の会長を務めている。ウクライナ情勢や沖縄戦に触れ「平和な時代を守り、引き継いでいく」とあいさつした。

 同会の先輩は復帰運動の中心を担った。「先輩の活動の上に今があると伝えていきたい」と継承へ意欲を示した。

 「自分の発信を通して県外の人もひとごととせず関心を持ってほしい」と意気込んだが、当日は「50年後など、この先の節目を迎えたときに基地問題や経済問題などを僕らで解決できているのか、もやもやした気持ち」で迎えたという。それでも「多くの若者に基地のない平和な沖縄について考えてもらいたい」と若者代表として思いを伝えた。
 (金盛文香)


貧困問題解決したい 若者代表・平敷雅さん

若者代表であいさつする平敷雅さん

 フードドネーションなどの活動を行う学生団体VONS共同代表の平敷雅(みやび)さん(20)は「若者代表として胸を張って発信することができた」とあいさつを振り返った。

 留学先のアメリカで高校生が食料を寄付する活動をしていることに感銘を受け、活動を始めた。「貧困問題をいろんな切り口から解決できる人になりたい」と東京の大学で学んでいる。

 東京で感じたことは「沖縄戦のことを知っている人が少ない」こと。祖父母の沖縄戦体験を聞いてきた平敷さんは「観光だけでない沖縄の歴史や基地問題を知ってほしい」と思いを話した。

 「沖縄を引っ張っていけるような素晴らしい人材を育成していくことが重要だ」と、将来を見据えた。
 (金盛文香)