クラシックを親しみやすく 琉球フィルハーモニック、28日に新報ホールで公演 前日に小中学生対象の公開リハも


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コンサートへの意気込みを語る琉球フィル客演ソロ・コンサートマスターの高橋和貴=2日、那覇市の琉球新報社(喜瀬守昭撮影)

 琉球フィルハーモニック主催の「プレミアムクラシックコンサートVol.1『琉球フィルハーモニック ストリングス』」(琉球新報社共催)が28日午後7時から、那覇市泉崎の琉球新報ホールで開催される。Vol.1は「琉球フィルハーモニック ストリングス」が弦楽合奏の名曲の一つ、チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ作品48」を演奏する。演奏者が解説やトークを交えて、クラシックをより親しみやすく楽しく届ける。客演ソロ・コンサートマスターを務める高橋和貴(かずたか)に公演への思いを聞いた。 (聞き手 田中芳)

 ―前日に公開リハーサルを今回開く。

 「クラシックの場合、アーティストの生の声を聞く機会が限られてしまっている。今回の試みは、コンサートをつくるのに一番大事な練習風景を見てもらい、曲や練習の目的などを分かりやすく解説する。アーティストの方から寄り添えるような形で身近に発信していけたら、自然と親しみを持ってコンサートに見に来ていただけるのではないか、という願いだ」

 ―サイトウ・キネン・オーケストラにも毎年参加し、指揮者の小澤征爾と共演を重ねている。

 「(弦楽器を主体とする)ストリングスのコンサートは強い思い入れがある。チャイコフスキーの『弦楽セレナーデ』はことあるごとに取り上げている。小澤さんも一番大事にされている曲の一つだ。小澤さんはよく『オーケストラというのは弦楽四重奏なんだ』と言う。弦楽合奏がしっかりして、初めてオーケストラになる。とにかく礎の部分だ。何度も演奏しているが、もう一度このメンバーと向き合ってみたい」

 ―公演への意気込みを聞かせてほしい。

 「今回は指揮者がいない。そういった意味で臨場感もある。一人一人が良い意味で自発性を持って取り組んでいる姿を、純粋にクラシックのコンサートの一つとして感じていただきたい。この数年、コロナに始まり社会情勢の著しい変化の中でアーティストもいろんなことを考えないといけない事態に直面した。舞台人として一番の苦難の時期だった。音楽だけでなく芸術と文化と寄り添っていける方法を模索する中で、やっと希望の光が見えてきた。お客さまと喜びを共有したい」

 演奏曲目は、チャイコフスキー「弦楽セレナーデ作品48」のほか、バッハの「管弦楽組曲第2番BWV1067」「チェンバロ協奏曲第4番イ長調BWV1055」。ソリストに泉真由(フルート)、宮城理恵子(チェンバロ)を迎える。

 入場料は一般3500円、大学生以下2千円(当日券は各500円増)全席指定、未就学児の入場不可。

 出演者による公開リハーサルを27日午後7時から琉球新報ホールで開催する。参加対象者は小学1年生から高校3年生まで。定員50人(定員に達し次第締め切り)。参加は無料。申し込みはhttps://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdrqwhgRrrZKHloKVpiuO3Jtm5IDgaAcAmAzqBFG3QeHHJ0bw/viewformから。

 問い合わせや予約は琉球フィル事務局(電話)080(6497)8049、メールticket@ryukyuphil.org