沖縄産パイン「ゆがふ」のゲノムを解読 とげや果肉色の遺伝子特定 新種開発に活用


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県農業センターなどがゲノム解読したパイナップル「ゆがふ」(同センター提供)

 沖縄県農業研究センターは17日、かずさDNA研究所(千葉県)、日本大学生物資源科学部(神奈川県)、農研機構との共同研究で沖縄育成パイナップル品種「ゆがふ」のゲノムを解読したと発表した。葉のとげの有無と果肉色を決定する遺伝子を特定し、それぞれを判別するDNAマーカーを開発した。これにより、国産パイナップルの育種効率が飛躍的に向上し、次世代の育成技術の発展が期待される。研究結果は4月30日付の英国の国際科学雑誌「プラントジャーナル」110巻3号に掲載された。

 「ゆがふ」は県が育成した生食用パイナップル。葉にとげがなく、果肉が白いことが特徴で、多くの品種の交配親として利用されている。県などはゆがふのゲノム情報を集積、活用することで、狙った形質を持つパイナップルの品種開発につなげたい考え。
 パイナップルは市場性が高く、県は戦略品目に位置づけている。崎原盛光農林水産部長は「これらの成果を活用し、県内の品種育成手法として組み入れ、品種育成の効率化技術の開発などに取り組んでいきたい」と述べた。
 (玉城江梨子)