輸入超過10兆5746億円 復帰後50年、輸出の半分は石油製品


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 沖縄地区税関は19日、沖縄が日本に復帰した1972年5月15日から2022年3月までの輸出入動向について発表した。50年間の輸出総額は2兆4783億2500万円、輸入総額は13兆529億5200万円で、貿易収支は10兆5746億2700万円の輸入超過となっている。製造業の割合が低く、輸出が安定しない沖縄の産業構造を反映した形だ。

 50年間の主要輸出品目は石油製品の1兆2950億2600万円で全体の52・3%を占めた。復帰後から現在まで一貫して石油製品や機械工業品が輸出額の大きな割合を占めている。

 輸出の第一のピークは1989年から始まる。この頃から石油の受託精製が盛んになり、生産された軽油やジェット燃料など石油製品が海外へ輸出された。94年には輸出額が1386億円に達し、過去最高を記録した。しかし、2014年に石油精製工場が閉鎖すると、翌年から輸出額全体が大幅に減少した。第二のピークは2006年。輸出品目の第1位は精密機器類の494億円で、台湾向けの科学光学機器が輸出額を押し上げた。

 09年10月には県の国際貨物ハブ事業がスタート。県産品だけでなく全国の特産品が沖縄に集まりアジアに輸出されるため、18年は果実および野菜が4億4千万円を記録し過去最高となった。

 20年からは新型コロナウイルスの影響で物流は大きく混乱。那覇空港を発着する国際貨物便は運休し、沖縄からは成田空港を経由して輸出されている。その状況下でも21年は肉類および同調整品が11億円と過去最高の輸出額となっている。海上輸送がメーンの泡盛、ビールなどの飲料も13億円で過去最高を記録した。 (玉城江梨子)