対象者公表で混乱 比嘉氏、出馬意向否定


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 自民党県連や経済団体などによる知事選候補者選考の対象者発表を巡って21日、混乱が生じた。琉球放送は、同社社員の比嘉俊次氏(49)が対象者に選ばれたと公表されたことについて、比嘉氏に出馬の意思はないと確認したなどとする文書を発表した。異例の展開に、選考委の「詰めの甘さ」も露呈した格好だ。

 選考委幹事会委員の中川京貴自民県連会長によると、比嘉氏の出馬意向は選考委員でもある国場幸之助衆院議員が確認し、20日夜に比嘉氏同席の場で国場氏が中川氏に電話で報告した。

 選考委幹事会は公表後、琉球放送側から「立候補する考えはない」などと訂正を求められ、対応を協議。国場氏から聞き取りをした上で「比嘉氏と国場氏のやり取りの問題だ」(中川氏)として、選考委としては対応しない方針を決めた。

 国場氏は取材に対し「1週間後の演説会に出るのは厳しいということは話しており、中川氏にも伝えた。ただ環境が整えば真剣に検討したいとの確認は取った」と説明した。

 一方で琉球放送は「知事選に立候補する考えはなく、よって公開演説会にも出席しないとの報告を(比嘉氏から)受けている」として、比嘉氏が出馬意向を示したことも否定している。

 (大嶺雅俊)