沖縄県産ゴーヤー、課題共有 糸満市で産地ツアー 農家と販売者の消費拡大へ意見交換


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ゴーヤーの生産地を視察する参加者ら=10日、糸満市大度

 作り手と売り手、それぞれの視点で農作物の生産、販売の課題や要望を共有したい―。JAおきなわ南部地区営農振興センターは10日、糸満市内で県内の量販店や仲卸、市場関係者を対象に「ゴーヤー産地ツアー」を実施した。旬を迎える県産ゴーヤーの生産現場を知ってもらい、県内での消費拡大につなげる狙い。参加者らは市内の優良ゴーヤー農家の畑を視察したほか、農家を交えて意見交換した。

 南部地区営農振興センターによる産地ツアーは、八重瀬町のピーマンに続き2回目。今回は約30人が参加した。

 一行はまず、糸満市大度にある玉城力さんの畑を視察した。ここでは栽培農家専用品種「汐風(しおかぜ)」を育てており、参加者らは玉城さんに味や食感の特長や、栽培する上で気を付けていることなどを質問した。

意見交換会でそれぞれの視点から課題や要望を共有する参加者ら=10日、糸満市のJAおきなわ糸満支店

 その後、JAおきなわ糸満支店で、農家を交えた意見交換会を行った。量販店からは「太くて色の濃い商品が客に喜ばれる」「なるべく大きさがそろったものが売りやすい」との意見があった。シーズン中はゴーヤー売り場のそばにポークやコンビーフ商品を置き、ゴーヤーチャンプルーを作ってもらうよう工夫しているという店もあった。

 一方、農家や仲卸業者からは「売り場で、チャンプルー以外の簡単なレシピの提案があれば消費拡大につながるのでは」「規格外の商品をまとめ売りできないか」などの要望が挙がった。

 JAの担当者は「それぞれが日頃感じていることを直接伝えることで問題解決につながり、新しいアイデアも生まれる」と述べ、今後も対象品目を広げてツアーを実施していく意向を示した。

  (当銘千絵、写真も)