元里親 訴訟取り下げ 知事謝罪会見受け


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 生後2カ月から5年以上養育した児童の里親委託を児童相談所が一方的に解除するのは、児童の健全な成長を無視した不当な対応だとして、里親だった沖縄県那覇市の小橋川学さん(57)夫妻が県に解除の取り消しなどを求めた2件の訴訟について、小橋川さん側は23日までに訴えを取り下げた。代理人の川津知大弁護士によると、4月26日に取り下げの手続きを行った。

 児相による小橋川さんへの里親委託解除を巡って県は4月、問題を検証するため外部有識者3人による調査委員会を県特命推進課内に設置した。委員会が関係者の聞き取りなどを進めている。

 玉城デニー知事は4月22日の定例記者会見で「実親と里親のそれぞれに大きな不安、不信を抱かせてしまった。里親制度に対する不安を持った方々におわびする」と謝罪し、問題解決に向けて取り組む考えを示した。

 川津弁護士は、取り下げの理由に玉城知事の謝罪記者会見を挙げ「今後も児童のことを第一に考え、関係機関と連携を取りながら話し合いを続けたい」と述べた。