200年伝わる伝統行事「ミーミンメー」縮小し開催 「来年こそ…」役員ら御願、区民が旗頭掲げる 南城市大里古堅


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来年こそはミーミンメーが開催できることを願い、旗頭を掲げた区民ら=1日、南城市の古堅農村集落総合管理施設

 【南城】南城市大里古堅区(上原良隆区長)に約200年伝わる市の無形民俗文化財「ミーミンメー」が1日、行われた。新型コロナウイルス感染症の影響で子どもから大人まで大人数で参加する演舞や棒術、道ジュネーなどは行われず、区の役員らが集落の拝所などを御願したり、旗頭を掲げたりした。

 「ミーミンメー」は、旧暦の4月に行われる区の伝統行事で、夏服用のバサージン(芭蕉布)の織り目を競うことを意味する「スディチラーアラシー」とも呼ばれる。拝所や遊び庭などを巡り、子どもたちが舞い、青年たちが棒術を披露する。

 同日は上原区長ら4人が根屋や拝所などを回り、五穀豊穣(ほうじょう)、子孫繁栄、無病息災を祈願した。上原区長は「コロナが収まって、来年は通常通り開催できるようにしたい」と強調した。区の老人会長を務める上原一宏さんは「3年間演舞の練習が行われていないので、後継者不足につながらないか不安だ」と明かした。

 一方、集落内にある古堅農村集落総合管理施設(公民館)では、区民15人が息を合わせて旗頭を掲げた。「豊年」と書かれた旗字に、升と鎌をかたどった「チョーバン」の旗頭と、才知と人徳が備わった優れた人を意味する「金聲玉振(きんせいぎょくしん)」の旗字になぎなたをかたどった旗頭が高々とそびえ、集まった区民らは心を躍らせた。

 元区長の上原良三さんは「3年連続区民総出の開催ができず、とても心苦しいが、旗頭を掲げて、来年開催につなげたい」と前を見据えている。
 (金城実倫)