ライカム近くの「ロウワ―地区」返還前の立ち入り要望へ 沖縄防衛局と地権者会が米側に


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沖縄防衛局

 【沖縄・北中城】米軍キャンプ瑞慶覧ロウワー・プラザ地区(約23ヘクタール)が返還まで「緑地公園」として日米共同使用される件で、返還に先だって地権者会による跡地利用に向けた同地区での調査を認めるよう、沖縄防衛局が米側に要望する方向で調整していることが26日までに分かった。

 日米地位協定の環境補足協定で、返還前の立ち入りは返還日の150労働日前を超えない範囲と定められている。返還日未定の段階では立ち入りは原則不可能だが、共同使用によって返還前に県民も利用できるようになる。同地区は返還日が現時点で未定のため、地権者会は円滑な跡地利用計画に向け、立ち入って調査したい考え。

 25日に開かれた地権者会と防衛局の意見交換会で、地権者会が要望した。防衛局からは「米側と交渉する」と返答があったという。

 意見交換会に出席した地権者会の武米治郎事務長は「共同使用をチャンスと捉え、跡地利用計画に向けて準備をしたい」と話す。吉村正夫会長も「暫定的な共同使用で調査ができれば、引き渡しまでの期間が縮まる可能性もある」と期待を寄せる。

 調査では、沖縄市と北中城村にまたがる同地区内で市と村の境界整理のための測量などを行いたい考え。

 同地区は住宅102戸をキャンプ瑞慶覧内に移設することを条件に、2024年度以降の返還が予定されている。沖縄の日本復帰50周年に合わせて来沖した岸田文雄首相が15日に、返還前に同地区を県民も利用できる緑地公園にすると表明した。
 (石井恵理菜)