キングス、第4Qに失速、終盤に明暗 ボール動かせず流れ失う BリーグCS決勝 第1戦


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 東京体育館で始まったプロバスケットボールBリーグの年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)決勝。28日の第1戦で、琉球ゴールデンキングス(西1位)は宇都宮ブレックス(東4位、ワイルドカード)に61―80と大敗を喫した。

 CSは2戦先勝方式で、第2戦でキングスが勝利すれば第3戦に持ち込める。キングスはジャック・クーリーが攻撃リバウンドで力を発揮し、前半だけで13得点、10リバウンドのダブルダブルを決めるなど躍動した。宇都宮も譲らず、一進一退の攻防が続いた。3点先行されて入ったキングスは第3クオーター(Q)に、小野寺祥太や今村佳太の3点弾で勝ち越した。しかし第4Qは宇都宮にゴール下を固められ攻撃が停滞。わずか5得点と失速し、相手の猛攻を止められずにリードを広げられた。第2戦は29日午後4時5分から同会場で行われる。
 

宇都宮(ワイルドカード)1勝
 80―61(18―19,20―16,16―21,26―5)
キングス 1敗

 【評】キングスは前半、宇都宮を圧倒するリバウンド力で攻撃につなげた。しかしターンオーバーからの失点もあり主導権を握れなかった。第3クオーター(Q)から宇都宮も徐々にリバウンドで応戦し始めた。第4Qは宇都宮のゾーン守備に苦しめられ、最後まで攻略の糸口を見いだせなかった。(謝花史哲)


 

キングス―宇都宮 第2クオーター、攻め込む琉球・小野寺(左)=東京体育館(代表撮影)

 互いに堅守が武器のチームの対戦は終盤に明暗が分かれた。第4クオーター(Q)に宇都宮がゾーンを中心とした巧みな守備を見せると、キングスは思うようにボールを動かせず、無理な個人技に偏り得点が止まった。守備ではインサイドに突破を仕掛ける宇都宮を止められず、リードを2桁にまで広げられた。

 第4Qの早い段階でチームファウルが重なったことも大きかった。残り7分30秒で5ファウルに積み上がり、激しい守りは影を潜めた。ファウルでフリースローを与えるなど第4Qだけで26失点。キングスは5得点と沈黙した。タイムなどで切り替えを試みたが、桶谷大ヘッドコーチ(HC)は「流れを戻すことができなかった」と悔やんだ。

 中心選手の並里成が体調不良で欠場する予期せぬ事態もあった。それでもチームに「パニックはなかった」(桶谷HC)。今季は何度も同じ状況を経験し、窮地でも各選手が成長して勝ちにつないだ。この日はコー・フリッピンや小野寺祥太が穴を埋めるべく果敢に攻めた。フリッピンはスチールからのダンク、小野寺は3点弾やドライブを決めて会場を沸かせた。

 桶谷HCは「全てが悪かったわけではない。これだけストレスのかかる試合に対して、もう一回40分間戦かう準備をしたい」とチームを励ました。窮地を何度も乗り越えたキングスが、勝利を信じて第2戦に挑む。

(謝花史哲)


明日に向け戦う準備

 桶谷大HC(キングス)の話 第4クオーターに攻撃リバウンドを取られてから流れを持って行かれた。宇都宮の守備はメンタル的にもきつく、タフなことだと思うが、それを乗り越えないと勝利はない。明日に向けて戦う準備をしたい。
 

我慢して最後に勢い

 安齋竜三HC(宇都宮)の話 選手たちがずっと我慢して最後に勢いを持って来られた。第4クオーター(Q)はタイミングを見て守備を変えてうまく惑わせた。第4Qに限ってはリバウンドもそんなに取られなかったことが突き放す要因となった。