浦商野球部1期生「さわやか1年生軍団」再集結 50歳、盛根元監督と「誕生祭」開催


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浦添商野球部1期生と盛根一美元監督(前列左から4人目)=15日、浦添商業高校

 【浦添】沖縄が日本に復帰した1972年に生まれたいわゆる復帰っ子の浦添商業高校野球部1期生15人と、名将として浦商を強豪校に押し上げた元監督の盛根一美さんが15日、32年ぶりに母校に集まった。部員らは「沖縄本土復帰50周年記念および1期生50周年誕生祭」を開催し、思い出話に花を咲かせた。

 浦添商業は復帰直前の72年5月9日に琉球政府立高校として開校し、復帰に伴い1週間後に県立高校に名称が変更された。野球部1期生は88年に浦添商業に入学。同じ年に赴任した盛根さんが休部状態だった野球部を再建し、20人の1年生が入部した。

 1年生部員はその年の県秋季大会で準優勝し、センバツを懸けた九州大会に出場した。当時、「さわやか1年生軍団」として活躍。盛根さん率いる浦商ナインは90年に甲子園で準優勝した沖縄水産野球部に大会でコールド勝ちするなど県内屈指の強豪校になる礎を築いた。学生時代にセンターを守っていた黒島安晴さんによると、1期生の多くが盛根さんを慕って入学したメンバーだった。

 誕生祭には1期生のほか、盛根さんの妻千賀子さんや当時部長を務めた平安名栄正さんらも出席した。式典で盛根さんは「1期生が50歳になったかと思うと感慨深い。浦商野球部が甲子園に出場しベスト4にいけたのも、やっぱり1期生が頑張ったからだ。みんな立派になってとてもうれしく思うし、これからも社会での活躍を期待する」とあいさつした。

 式典ではこのほか、1期生からの寄付金として当時主将を務めた安次嶺久樹さんが現主将の末吉快晴さんに目録を手渡した。末吉主将は「春の大会で沖水に大敗した悔しさを忘れず練習に励んできたので、夏の大会は一生懸命頑張ります」と抱負を語った。
 (吉田健一)