FC琉球、また白星するり…終了間際に失点 徳島に悔しいドロー


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
琉球―徳島 試合終了間際に徳島に同点に追いつかれ、天を仰ぐ池田廉(右)ら琉球の選手たち=29日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(小川昌宏撮影)

 サッカー明治安田J2第19節は29日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで徳島ヴォルティスと対戦し3―3で引き分けた。前半に先制点を許したが、田中恵太がPKをもらい、清武功暉がきっちり決めて同点に追い付いた。後半は中野克哉が狙いすましてゴール左隅にシュートを決めて逆転した。同点に追い付かれた後、富所悠が目の覚めるようなミドルシュートを決めて再び引き離した。しかし、試合終了間際にコーナーキックから点を奪われ同点に終わった。通算成績は3勝10敗6分けで勝ち点15。順位は21位。

 次戦は6月5日、NDソフトスタジアム山形でモンテディオ山形と対戦する。

 試合終了の直前に3―3に引き分けにされた琉球の選手はピッチに崩れ落ちたり、両手を広げたりして悔しがった。連戦が続く選手らは満身創痍(そうい)の状態で健闘したが、あと一歩及ばなかった。喜名哲裕監督は「もったいなかった」と悔やんだ。

 前半からハイプレスで相手に詰めより、ボール奪取した後は素早く切り替えて攻め込んだ。くさびのパスや左右からのクロスなど、多彩な攻撃で再三チャンスをつくった。

 初めてボランチを任された池田廉は運動量を生かして中盤で攻守のつなぎ役として活躍。喜名監督の掲げる「前に早いサッカー」を体現する場面が見られた。

 だが2―1の逆転後は、攻め込まれる場面が増え、緩みを突かれるように失点した。MF富所悠は「大事なところで耐えきれなかった」と声を落とした。池田は「追加点が足りない。もっと楽な試合ができた」と重たい口調で話した。

 MF中野克哉の敵陣に切り込んでからの鋭いシュートや、富所のミドルシュートはサポーターが思わず「ブラボー」と叫ぶほど見事なゴールだった。手応えを残したまま次の連戦へ向けて修正を図る。
 (古川峻)


(1)タピスタ

琉球 3勝6分け10敗(15)
3―3(1―1,2―2)
徳島 4勝11分け4敗(23)

▽得点者 【琉】 清武(PK)(2)中野(4)富所(1)【徳】 一美(PK)(2)白井(2)新井(2)
▽観客 2033人

 【評】前半から琉球ペースで試合を進めた。時折、カウンターを受けたが集中した守備で窮地をしのいだ。前半38分にミスから失点したが琉球の勢いは衰えず、後半も強度の高い守備から攻撃につなげていた。しかし後半の2点目以降に強度が緩み、最後にあっけなく失点した。

守備と攻撃つながった

 喜名哲裕監督(琉球)の話 連戦の中でも攻守にアグレッシブに戦うという今日のテーマはプレーで選手たちが示した。攻撃と守備がつながっており、ボールを奪った後に連係ができていた。3得点は選手がゴールに向かう姿勢を示していた。

試合支配できず悔しい

 ダニエル・ポヤトス監督(徳島)の話 難しい試合だった。自分たちのエラーのために試合を支配できず本当に悔しい。簡単にボールを奪われ、もっと熟成した大人のチームにならないといけない。要所で試合を支配することを伝えたい。勝てる試合だった。