高機能炭で1ナノグラム未満に 沖縄・北谷浄水場 PFASで企業局説明


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 人体に有害とされる有機フッ素化合物(PFAS)が北谷浄水場の浄水から検出されている問題で、県企業局は30日、高機能粒状活性炭を導入した吸着池で処理した浄水から検出されるPFASの値が、1リットル当たり1ナノグラム未満まで低減されていることを明らかにした。配水管理課の米須修身(おさみ)課長は国の暫定指針値(1リットル当たりPFOS・PFAS合計値50ナノグラム)を超えていないことを強調しつつ「これを良しとしているわけではない。今後も安全で安心な水の供給に努める」と述べた。

 企業局は1992年度、主にトリハロメタン削減のために浄水場での粒状活性炭処理を開始し、PFAS低減のためにも使用している。しかし、PFASの値が低い原水を処理した場合、それまで吸着したPFASが脱着され、原水より浄水のPFASの値が高くなる現象が生じていた。この状況に対して、21年度、浄水場の粒状活性炭吸着池16池のうち8池で高機能なものに交換、取り替え周期も短縮する。

 企業局はこの日、北谷浄水場から給水している7市町村の水道事業担当者にPFAS対策の説明会を開催した。高機能粒状活性炭への交換のほか、PFASが高い値で検出されている中部河川・井戸からの取水抑制、発生源を特定するための米軍基地への立ち入り調査申請などを説明した。

 企業局によると、説明会後の意見交換では、PFAS汚染への不安を訴える住民の声や、国が暫定指針値を定めた20年度以前の高濃度検出への対応を問う声などが市町村から上がったという。(安里周悟)