沖縄県しまくとぅば正書法検討委員会(委員長・波照間永吉名桜大学大学院特任教授)は、これまで統一されていなかったしまくとぅばのカタカナによる表記法をまとめ、30日に県庁で玉城デニー知事に手渡した。県は「標準的な仮名文字表記の確立がしまくとぅばの多様性に理解を深め、普及・継承の効果を高める」としている。
しまくとぅばには現代の日本語にはない音があることなどから、研究者らがさまざまな表記を提示してきたが統一されていない。
県の表記法は複数の研究者でつくる同委員会が5年間をかけてまとめた。
子どもにも理解しやすいカタカナで国頭、沖縄、宮古、八重山、与那国の5言語の表記を県のホームページで公開した。
ただ表記の統一については「今後も慎重に検討していく必要がある」としている。
波照間委員長は「一音一音を仮名にしっかり対応させる表音性や簡潔性、体系性、親近性を重視して検討した。シマジマで考えられてきた表記を否定するものではない。研究にも教育にも役立つものができたのではないか」と語った。
玉城知事は「県の普及事業でも活用し、普及・継承の効果を高めていきたい」と述べた。
(宮城隆尋)