コーヒー栽培で引きこもりの人を支援 ベランダ栽培から農園での就労へ 沖縄ナシロコーヒー 名護市


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 【名護】「コーヒーで生きづらさ支援を」。NPO法人ウヤギー沖縄理事長の近藤正隆さん(78)と名護市中山で沖縄ナシロコーヒー園を営む名城政雄さん(74)が、不登校や引きこもりなど生きづらさを抱える人たちに、コーヒー栽培という仕事の場をつくることで支援しようと取り組んでいる。クラウドファンディングも計画しており、趣旨に賛同する人を募っている。ひきこもり支援だけでなく、希少価値の高い沖縄ブランドのコーヒー栽培で地域活性化や農業振興にもつながると期待している。

「一石十鳥」のこの事業に多くの方が参加してほしいと語る近藤正隆さん(左)と名城政雄さん=名護市中山のナシロコーヒー園

 コーヒー栽培は必要以上に他人とコミュニケーションを取る必要もなく、単純作業なので、自分を見つめ直しながら収入を得る恰好の場となる。収穫したコーヒー豆を沖縄ブランドとして増産・発信していけば、沖縄の基幹作物として大きな可能性を秘めているという。

 コーヒーの若葉はこれまで未活用だったが、ポリフェノールの含有量はコーヒー豆より多いとの成分分析もあり「コーヒーリーフティー」として商品化され、一部ホテルなどで販売している。

 事業に関心のある生きづらさを抱えている人たちには、まずは沖縄コーヒーの種と育苗用トレー、ポットを無償提供して、ベランダなどで育てることから始めてもらう。その後、希望に応じて農園での栽培に参加してもらう。

 当面の費用として150万円を目標にクラウドファンディングで募る予定。寄付者には収穫したコーヒーやリーフティー、コーヒーの苗などを贈呈する。

 ほかにも、この事業の効果として観光客の増加や高齢者の生きがいづくり、耕作放棄地の減少などが見込まれる。10年前に出会い、ここまでたどり着いたという近藤さんと名城さんは「多くの方にこの夢のある薫り高いプロジェクトに参加してほしい」と話している。

 問い合わせは近藤さん(電話)080(3433)4388、kondo@khj-h.com 名城さん090(3795)3536。

(友寄隆哉)