衣笠選手バット、戦後の生活用具、知花花織など新収蔵品200点を展示 沖縄市立郷土博物館 


この記事を書いた人 Avatar photo 仲井間 郁江
寄贈された、プロ野球広島で活躍した故・衣笠祥雄さんのスパイクとバット

 【沖縄】沖縄市立郷土博物館(久場健史館長)は5月27日から、2021年度に同館に寄贈された新収蔵品の展示を行っている。7月3日まで。戦後に県内で使われていた生活道具や、広島東洋カープの関連品など、約200点を展示している。27日、同館に寄贈者が集まり、久場館長からお礼状が手渡された。
 
 21年度、同館に寄贈があったのは計541点。15個人・団体による寄贈。知花花織や、プロ野球広島で活躍した故・衣笠祥雄さんのスパイクとバットもある。身近に使われていたテレホンカードや戦後沖縄の生活道具も展示されている。
 

博物館に寄贈し、お礼状を受け取った関係者ら=5月27日、沖縄市立郷土博物館

 同館学芸員の川副裕一郎さんによると、歴史的に価値がある物と知らず引っ越しの際に捨ててしまう人が多いという。「博物館の最大の敵は断捨離だ」と収集の難しさを語り、寄贈に感謝した。
 
 沖縄市在住の根路銘弘一さん(70)は、戦後使われた、竹とススキでできた「カマンタ」と呼ばれる鍋ぶたを寄贈した。根路銘さんは「リサイクルショップに持ち込んだら100円と言われた」と笑って振り返り、博物館で収蔵品として展示されることを喜ぶ。

 切手などを寄贈した饒平名知昌さん(68)=読谷村=は「地域に密着した資料だ。多くの人に博物館に立ち寄ってほしい」と話した。
 入館無料。午前9時から午後5時まで、月曜休館。
 
(石井恵理菜)