沖縄県が5月31日に公表した2021年度沖縄子ども調査報告書では、食料や衣服が買えなかったり、困窮層ほど大学進学をあきらめたりする状況が続いていることが分かった。
母親の正規雇用率微増 困窮層の父 5割達せず
2018年の前回調査と比較して正規雇用で働く母親の割合は小5、中2のいずれでも増加した。全体で小5は31.7%から34.7%に、中2は31.9%から33.1%になった。
経済状況別に見ると、小5の一般層では正規雇用の割合が49.4%となったのに対し、低所得層IIは29.3%、低所得層Iは16.2%と差が開いた。中2でも一般層に占める正規雇用の割合は45.8%に上ったのに対し低所得層IIは27.7%、低所得層Iは16.8%にとどまった。
父親の就労状況を見ると、小5、中2ともに一般層に占める正規雇用の割合が9割近くに上った。一方で低所得層Iのうち正規雇用は小5で48.5%、中2で42.3%と半数に達しなかった。中2の父親の「自営業」の割合は一般層の9.6%に対して低所得層Iでは35.4%と大きな割合を占めた。
大学希望、低所得ほど低く 保護者も低い現実感
小5の児童に将来どの段階まで進学したいか聞いたところ、一般層の39.3%が「大学またはそれ以上」と回答した。一方で低所得層IIは28.9%、低所得層Iは22.5%となった。
中2生徒の回答でも「大学またはそれ以上」が一般層で51.5%と半数を超えた。対して低所得層IIは32.3%、低所得層Iは26.3%にとどまり、低所得層ほど大学への進学希望率が低くなった。
保護者に対して「子どもが将来、現実的に見てどの段階まで進学すると思うか」と尋ねたところ、小5の保護者のうち一般層の54.8%が「大学またはそれ以上」と回答したのに対し、低所得層IIでは35.6%、低所得層Iでは20.2%にとどまった。
中2の保護者でも大学以上が一般層の54.6%に上ったのに対し低所得層IIでは32.1%、低所得層Iでは23.0%と大幅に低下した。