航空自衛隊那覇基地や海上自衛隊那覇航空基地の消火用水層から、国の暫定指針値を超える有機フッ素化合物(PFAS)が防衛省の調査で検出されていたとの琉球新報報道を受け、那覇市(城間幹子市長)は3日、調査結果と公表時期を照会する文書を両基地に送った。
3日現在、調査について自衛隊から市への説明はないという。照会文書では、暫定指針値を超えている場合は原因究明と対策も求めている。
一方、岸信夫防衛相は3日の閣議後会見で「現在、整理中だ。水は適切に管理されており、結果の整理を踏まえて適切に処理していく」と述べるにとどめた。調査結果については「結果の整理を進めているので、今の時点で答えるのは困難だ」と話し、正式に公表しなかった。
防衛省は全国各地の自衛隊施設約60施設で消火用水槽を調べた。琉球新報の関係者への取材によると、調査したうち8割弱で、PFASの一種であるPFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)の検出量が国の暫定指針値(1リットル当たり計50ナノグラム)を超えていた。
県内でも複数施設で高濃度のPFASが検出され、海自那覇基地では最大約7万倍、空自那覇基地では最大約3万倍の値が検出された。
(伊佐尚記、明真南斗)