うるま市川崎川でPFAS168倍 上流の湿地帯 汚染源は不明


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 沖縄県は3日、うるま市の天願川の支流・川崎川の上流にある湿地帯7地点で、人体に有害とされる有機フッ素化合物(PFAS)が、国の暫定指針値(1リットル当たりPFOS・PFOA合計50ナノグラム)を大きく超える高濃度で検出されたと発表した。最大値は8400ナノグラムで、暫定指針値の168倍。汚染源は特定できていない。

 沖縄市にある産業廃棄物処分場から高濃度PFASが検出されたことから、県環境整備課は2020年度、処分場周辺の河川を調査した。川崎川の4地点で暫定指針値を超える値が検出された。いずれの地点も処分場から離れていたため、汚染源は処分場とは別にあることが示唆されたとして、21年度は前年度調査時に最も高い値が検出された地点から上流にある湿地帯の8地点を調査していた。

 環境整備課は今後も湿地帯での調査を継続し、湿地帯周辺の事業者にPFASの保有・使用履歴を確認していく。汚染源特定のために湿地帯に上流があるかを含めて調査を検討する。

 県企業局は天願川から取水した原水を北谷浄水場で処理し、配水している。配水された浄水からはPFASが検出されている。ダム貯水量など水事情が良好な現在、天願川を含む中部河川からの取水を停止している。ただ、東系列導水路トンネル改築の22年度工事が始まる11月以降は取水を再開する予定。

(安里周悟)