全席自由化、ウェブ会議室も セルラー、働き方刷新 出産祝い金も増


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大型モニターが設置された昇降デスクで仕事する社員=1日、那覇市の沖縄セルラー電話

 沖縄セルラー電話(菅隆志社長)は6月1日の創立記念日に合わせ、社員の自己成長と組織の成長の両立を目指す「沖縄セルラー新働き方宣言~Challenge2・0~」を策定した。新しい働き方に対応した規定の新設やオフィスのリニューアルを行った。

 那覇市久茂地の本社ビル。6~8階は4月から全席フリーアドレスになり、社員は好きな席で仕事ができる。全席に31インチモニターが設置され、社員はノートパソコン画面をモニターに映して仕事を進める。高さを変えられる昇降デスクもあり、長時間パソコンを使っても負担が少ないように配慮している。

 社員がどこで仕事をしているかを、専用の位置情報特定システムとスマホを活用して座席位置情報を見える化した。

 固定電話は廃止し、外線電話は業務用携帯電話に転送して、電話を取るために席が固定化されないようにした。

位置情報システムを活用し、フリーアドレスでも誰がどの席で仕事をしているのか分かるようにした

一度は断念

 実は2013年の本社移転時にもフリーアドレスを導入しようとした。しかし、当時は、席を固定化した方が管理しやすいという意見が多く、実現には至らなかった。

 新型コロナウイルス対策でテレワークを推進したことで、状況が一変。最大9割がテレワークをした経験がフリーアドレス化を後押しした。

 現在も常時3割の社員がテレワークをしている。長期化で見えてきた課題を解決するためにテレワーク勤務のガイドラインも制定した。
 外部の音を遮断し、電話やオンライン会議、集中して資料作成ができるウェブ会議・集中作業用個室も15室整備した。

制度さらに充実

 制度も変えた。これまで1万円だった出産祝い金は1人目5万円、2人目以降10万円に増額。子どもの慣らし保育の時期などに使える育児目的の有休特別休暇を導入した。今後、不妊治療休暇の拡充や新人事制度への移行、社外副業制度の導入も予定している。

 菅社長は「企業、組織、個々人が自ら変化に合わせ変革していかないと、環境変化に取り残されるのは明らか。社員一人一人が変化して、さまざまな価値観、生活様式に合わせて最大の成果を発揮できるようにするための変革だ」とコメントした。 (玉城江梨子)