空手道成年個人形、女子は佐和田、男子は池田が連覇 県選手権大会兼国体予選


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 空手道の第41回県選手権大会兼国体予選会が4日、豊見城市の沖縄空手会館で行われた。成年男子個人形は池田竜晟(劉衛流龍鳳会)、同女子は佐和田莉乃(沖縄国際大3年)がそれぞれ2連覇を果たした。成年組手は男子中量級の比嘉弘輝(上地流仲真修武館)と女子の比嘉桃子(上地流拳優会)が2連覇した。男子重量級は国吉展空(上地流拳優会)、同軽量級は安里寛龍(同)が制した。


気持ち前面に演武 佐和田、僅差の勝負制す

 「青の勝ち」。勝ち名乗りに険しかった表情が思わず緩んだ。女子個人形決勝。佐和田莉乃(沖縄国際大3年)はわずか0・26点差で優勝をつかみ、「自分の持てる力を出そうと気持ちを前面に出せたのが良かったんだと思う」と喜んだ。

成年女子個人形決勝戦 力強い形を繰り出す佐和田莉乃(沖縄国際大)=4日、豊見城市の沖縄空手会館(謝花史哲撮影)

 2年連続で九州ブロック大会進出を決めた。昨年は3位決定で敗れ、本大会出場枠に入れなかった。「パワーが足りない」。自身の弱点を見つめ1年かけて筋力強化に取り組んできた。努力は報われ、2週間前の全九州学生選手権では、昨年の九州ブロック大会で負けた相手に勝って3位入賞を果たした。

 そして迎えた県予選会。決勝の相手は同じ浦添高出で、以前から競い合ってきた久場麗佳(沖国大)だった。けがしている中でも調子を合わせてきた久場を見て、「勝ち負けじゃない。自分を出し切ろうと」と鍛えてきた力を技術に乗せて形を打ち込んだ。

 4月の学生選手権は予選で敗れたが、今回は勝ち星を取り返すことができた。次はいよいよ九州ブロックだ。「気負わず、出せる力を出せばチャンスはあると思う。今年こそ本大会出場を決めたい」。久場の思いも背負って勝利を目指す。

(謝花史哲)


「まだまだ」自ら律する 高み目指す池田

 成年男子個人形で2連覇を成し遂げた池田竜晟(劉衛流龍鳳会)。同門の高良蒼空との決勝で技術、競技面いずれも上回って勝ちきったが「まだまだ満足いっていない」と喜びはなく、自らを厳しく律した。
 

成年男子個人形決勝戦 姿勢を意識し演武する池田竜晟(劉衛流龍鳳会)

 見据えるは全国の舞台。昨年は九州ブロック大会で勝ち上がれず、本大会代表権獲得を逃した。悔しさを胸に鍛えてきたが「課題としてやってきたことが達成できていない」と首を振った。決勝は特に動から静の姿勢に意識を高めたが「ずれがあった」という。

 稽古を積む道場には五輪金メダリスト喜友名諒ら力のある先輩たちも通う。国内トップの選手を身近に「高みを目指してやりたい」と気を引き締める。まずは国体出場を果たす。

(謝花史哲)