在来の生態系を脅かす特定外来生物の毒ヘビ「タイワンハブ」が世界自然遺産登録地のある大宜味、東の両村で確認されていたことを受け、同じく登録地の広がる国頭村を含むやんばる3村と県、環境省は遺産登録地内での定着を阻止すべく、協力して対策を強化している。
県環境部自然保護課は2020年度に防除計画を策定し、21年度から対策を強化している。21年11月には、名護市北西部と大宜味村南部で住民から目撃情報を募った。
その情報に基づき、21年12月~22年3月、大宜味と名護に捕獲器計480個を仕掛けた。結果、大宜味では捕獲されなかったが、名護では3匹捕獲された。
22年度は、住民から目撃情報の収集を継続し、市町村と情報を共有しながら、仕掛ける捕獲器を増やし、地域も拡大していく。また、マングース北上防止柵を改良し、タイワンハブ対策に活用できないか検討している。
繁殖を伴う生息状況が見つかれば「定着」とされる。環境省やんばる自然保護官事務所は遺産登録地内での定着は確認されていないとしつつ「定着すれば、やんばるの希少固有種に甚大な被害を及ぼす可能性が大きい」と警戒。「県、市町村と連携し、より積極的な対策を行っていく」とした。
(長嶺晃太朗、安里周悟)