シャネルから牛へ?振りまく香り 中部報道グループ 新垣若菜


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written by 新垣若菜(中部支社報道部)

 マリリン・モンローが好きで、名言「シャネルの5番を着て寝るの」を体現すべく、学生時代は夜どころか1日その香水をかけまくっていた。名女優と同じ香りを纏(まと)い高揚感に満たされていたが、香害そのものだったらしく、親しい友人から「モンローふりかけ」と不名誉なあだ名を付けられたりもした。

 周囲へ配慮した結果、鼻の下に香水を塗り込むことを思いつく。香りも楽しめ一石二鳥だと浮かれていたが、その後、鼻の下がただれ、白斑のようになり、長い間皮膚科にお世話になるはめとなった。

 適量も覚えた現在だが、香水を振ることは少なくなった。取材で闘牛小屋にお邪魔する機会が多くなったからだ。取り組みを控える彼らに、少しでも不快な思いをさせるわけにはいかない。ボディークリームもハンドクリームもやめた。

 先日、牛小屋の次の取材先で「懐かしい香りがする。牛?」と聞かれた。ついに牛の香りを纏うようになっていた。シャネルを嗅げば、つらい記憶込みで私を思い出すと笑う友人の顔が浮かぶが、牛小屋というのも悪くはないかと思う。記者で牛小屋の香りがするのは私ぐらいだろうから。くさかったら、ごめんなさい。

(宜野湾、中城、闘牛担当)


ゆんたくあっちゃー 県内各地を駆け回る地方記者。取材を通して日々感じることや裏話などを紹介する。