被災地支援「何できる?」 NGO代表が講話 糸満中学校


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被災地での困りごとを踏まえ、自分たちにできることを話し合う生徒たち=5月17日、糸満中学校

 【糸満】糸満中学校(大城直之校長)で5月17日、被災地でボランティア活動をする災害NGO結の前原土武(とむ)代表(糸満市出身)を講師に海洋教育講話を行った。前原さんは福島県南相馬市からリモートで講演。「被災地で自分たちができることは何か」を生徒たちが話し合うワークショップも行われた。

 同校が取り組む海洋教育の一環。この日は3年生各クラスの教室とつないで行われた。

 元々美容師で、バイクで国内外の各地を回り、ラフティング(川下り)ガイドの経験もある前原さんは、2011年の東日本大震災以降、国内で発生する災害の被災地に出向き被災者支援に携わってきた。人と対話することやアウトドアの知識など、それまでの経験が被災地支援に役立ったと語った。

 ワークショップでは、実際に被災者から寄せられた困りごとを集めた資料が提示され、生徒たちが自分でできる支援を話し合った。「物資の整理整とん」「食料の配布」「小さい子の遊び相手」といったアイデアが出た。

 前原さんは「ぜひ平時からできることを増やしたり、地域の人や友達と相談できる関係をつくったりしてほしい。そうすれば災害時でも自分たちの力で、地域の人たちに手を差し伸べることができる」と呼び掛けた。

 1組の生徒は「普段から防災の力を身に付けるのが大切だと分かった。沖縄でもいつ災害が起こるか分からないので、食料や水の準備、避難所の確認などをしておきたい」と話していた。
 (高良利香)