末期がんの弟に頼まれ 嘱託殺人の罪、兄が認める 那覇地裁で初公判


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那覇地方裁判所

 南城市佐敷の住宅で昨年12月、本人に頼まれて同居する弟=当時(49)=を殺害したとして、嘱託殺人の罪に問われた無職の男(67)の初公判が7日、那覇地裁(安原和臣裁判官)で開かれた。被告は起訴内容を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、弟は末期がんで、主に被告が自宅での世話をしていたとし「2人にはトラブルもなく、関係は良好だった」と述べた。犯行当日、ベッドに座っていた弟が自ら首にタオルを回し、被告に殺害を依頼。被告はタオルを引っ張って弟の首を絞めるなどして窒息死させたとした。

 検察側は証拠調べなどで、弟がインターネットで「死にたい。でも怖い」などと検索していたと説明。同居する別の弟の調書では、殺害された弟が、治療費がかかり他の兄弟に迷惑がかかると気にしていたことも明らかにした。