来間島で電気の「地産地消」達成 全国初、100%太陽光・蓄電池で供給 沖電などが実働訓練


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 来間島(宮古島市)で再生可能エネルギーの地産地消を目指す「マイクログリッド(MG)」事業に取り組む沖縄電力(浦添市、本永浩之社長)など4者は、太陽光と蓄電池のみで島内96世帯に100%の電力を供給する実動訓練をこのほど実施し、一般家庭につながる実系統でも運用できることを確認したと発表した。同様の取り組みは全国初だという。

 沖電のほか、ネクステムズ(浦添市、比嘉直人代表)と宮古島未来エネルギー(宮古島市、同)、宮古島市が共同事業体(コンソーシアム)として手掛けており、2021年度末に運用を開始した。来間島の96世帯を対象に、各家庭などに設置した太陽光パネルと蓄電池を活用。発電量が需要を上回る場合蓄電池に充電し、下回る場合は蓄電池から放電する仕組み。

 対象地域の電気のピーク需要は200キロワット。5月25日の訓練で、正午から午後2時までの2時間、従来の送配電網である宮古島系統から切り離し、太陽光と蓄電池のみの組み合わせで100%の電力供給を達成した。

 沖電はこれまで、波照間島(竹富町)で10日間の電力供給を風力由来の再生可能エネルギーでまかなった実績がある。今回の太陽光は回転エネルギーを用いる風力とは性質が異なり、同じ再生可能エネルギーでも需給バランスの調整が難しいという。

 沖電の担当者は「太陽光と蓄電池でできたことが画期的で、知見を高め再エネの真の地産地消を目指し研究していきたい」と語った。
 (當山幸都)

来間島の集落(資料写真)