弦楽の音色、優雅に 琉球フィル公演、曲の解説も


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 プレミアムクラシックコンサートVol.1「琉球フィルハーモニックストリングス」(琉球フィルハーモニック主催、琉球新報社共催)が5月28日、那覇市泉崎の琉球新報ホールで開催された。県内外で活躍する弦楽器奏者22人が出演し、チャイコフスキーの代表作の一つ「弦楽セレナーデハ長調作品48」などを演奏した。弦楽オーケストラの叙情的で流麗な音色に観客から拍手が沸いた。客演ソロ・コンサートマスターは高橋和貴。

チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」を演奏する琉球フィルハーモニックストリングス=5月28日、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 幕開けは宮城理恵子(チェンバロ)を迎えて、バッハの「チェンバロ協奏曲第4番イ長調BWV1055」。第1楽章はチェンバロの歌唱的なメロディーに弦楽器のリズミカルな演奏が、第2楽章は定音弦に半音階で下降するラメント・バス(嘆きの低音)が印象的。第3楽章は躍動感あふれる舞曲が展開された。

 続いて、バッハの「管弦楽組曲第2番ロ短調BWV1067」を宮城と、フルート奏者の泉真由と共演。バッハの現存する、四つの管弦楽組曲の中でもっとも有名な作品。「ブーレ」「ポロネーズ」「メヌエット」などのさまざまな舞曲が織り交ぜられ、観客からの拍手が鳴り響いた。

 同公演はクラシックに親しみを持ってもらう試みとして、演奏の曲間に高橋がソリストとトークを交えて進行し、曲の解説も見どころだった。最後はチャイコフスキーの「弦楽セレナーデハ長調作品48」の全4楽章を演奏し盛大な拍手に包まれる中、出演者全員でアンコールに応えて終演した。前日には、小学1年生から高校3年生を対象にした公開リハーサルも実施された。
 (田中芳)