「一人じゃない」伝えたい 口唇口蓋裂親の会が発足 12日に西原で交流会


社会
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「沖縄口唇口蓋裂親の会 オパールズ」の結成について話すイーブリングゆう子代表=7日、那覇市のザ・ナハテラス

 口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)がある子どもの親や専門医、疾患を持つ当事者からなる「沖縄口唇口蓋裂親の会 オパールズ」が4月に発足した。交流会や勉強会を通して、子育ての不安の解消や情報交換をする。12日には西原町で交流会を実施する予定。同会代表のイーブリングゆう子さん(39)は「不安を抱えているのは一人ではない。同じ境遇を持つ人同士で支え合うことが大切だ」と意気込む。

 口唇口蓋裂とは先天的に唇や上あごが裂けている状態をいう。授乳や食事、発音などに支障をきたす疾患。

 口唇口蓋裂を持つ子どもの親が相談できる環境を作るため、定期的に交流会や勉強会を行う。不安や悩みの解消が目的。入院中に術後の影響で食事を渋る子どもには、アイスクリームやゼリーなどが良いなど、口唇口蓋裂を持つ子どもを持つ親の経験や専門医の見識を、これから治療を始める子の親と共有することで、子育てを支援する。

 イーブリングさんは、2019年9月に同会の前身「沖縄口唇口蓋裂ランチ会」を主催し、母親たちとの情報交換を中心に行ってきた。県内の病院などに口唇口蓋裂の子どもを持つ人たちの「親の会」の有無の問い合わせがあることや、他の疾患には親の会があることなどから、会報誌やSNSなどを利用した周知活動や交流会、勉強会により力を入れ、活動を広げることを決めた。

 イーブリングさんの三男は2018年、軟口蓋裂を持ち生まれた。出産まで疾患について知らず、三男の将来などで不安な日々を過ごしたという。「親にとって疾患が判明した時の衝撃は大きい。親の皆さんには『一人じゃない』と伝えたい。いつでも相談してほしい」と当事者に親の会へ参加を呼び掛けた。

 交流会は、12日午後2時から西原町のシェアスペースアルカナで開催する。専門医の講演や親同士の交流会を開く。参加は無料で、申し込みが必要。次のQRコードからできる。問い合わせはcleftoki@gmail.com

 12日の交流会に参加しなくても、同QRコードで会員登録すると、交流会のお知らせなどを受け取れる。
 (狩俣悠喜、写真も)