観光収入5364億円目標 本年度入域610万、人泊数1751万人 知事、コロナ復興へ


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 玉城デニー知事は10日、2022年度の沖縄観光の回復、復興に向けた考え方を発表した。観光インフラや旅行需要の回復を促進させ、観光振興基金や観光支援事業の弾力的な活用に努める考えを示した。目標値として、観光収入は20年度比2・2倍の5364億円、入域観光客数は21年度比86・5%増の610万人とした。国内客580万人、国外客30万人で、ほとんどが空路客と想定している。

 人泊数の目標は20年度比2・1倍の1751万人泊とした。20年度は819万人泊と、新型コロナウイルス感染拡大前の19年度の2522万人泊から大きく減少したが、政府の観光支援事業「Go To トラベル」の効果で1人当たり平均宿泊数は19年度より長くなっていた。22年度は実施予定の宿泊支援事業の効果を見込み、平均宿泊数を2・87に延ばした。県は「量から質への転換」を図り、滞在の長期化で観光収入の増加につなげたい考えだ。

 観光関連事業者への経営支援として、コロナ禍で売り上げが減少した事業者へ県独自の支援金を給付する事業に21億3400万円、全国から沖縄への旅行需要を喚起するGoToおきなわキャンペーン事業に376億5700万円、域内旅行需要を喚起するための割引事業に79億8700万円の予算を計上している。

 臨時交付金を活用して原油価格、物価の高騰により影響を受けている貸し切りバスやレンタカーに対する支援に取り組む。観光振興基金を活用し、交通企画券に対する支援を通じてバスやタクシーなど二次交通の利用促進を図る予定。

 修学旅行のキャンセルが相次いでいるが、今後は来沖を歓迎する知事メッセージの動画を発信することなどで、修学旅行を積極的に受け入れる姿勢を示す。

 21年度のリゾートウエディングの実施組数は1万2540組と、コロナ禍前の水準に戻りつつある。コロナ禍での挙式スタイルとして今後も高い需要が見込まれる。海外渡航に慎重な層などの取り組みを積極的に行い、海外からの渡航再開を見据え台湾でのプロモーションも展開するとした。 (與那覇智早)