沖縄・南大東空港、米軍使用通告相次ぐ 説明せず中止、村戸惑い 3月以降で計3件


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 【南大東】米軍機が3月以降、南大東空港を使用するとの通告が相次いでいる。3月下旬と4月上旬、6月10日に、米軍が那覇空港事務所を通して南大東空港へ、軍用機の着陸を伝えた事例が計3件あった。いずれも実際の使用は米軍が中止した。県や南大東村によると、日米地位協定の定めにより、米軍機の着陸を拒否することは困難という。南大東空港管理事務所は「前例がなく、どう対応すればいいのか難しい」と戸惑い、今後も使用の動きが続くことを懸念する。

 同事務所によると、昨年までは米軍機着陸の通告や空港使用の事例はなかった。しかし今年3月、那覇空港事務所の航空管制運航情報官から、米軍機が南大東空港へ着陸予定との連絡が初めて入った。4月にはオスプレイ2機が着陸しようとしたが取りやめ、近海を航行していた米軍の艦船に着艦したという。

 今月10日には米軍のF35ステルス戦闘機2機が着陸を予定していたが中止した。本来は県の条例に基づいた空港の使用届を提出する必要がある。少なくとも同日、米軍側から使用届の提出はなかった。同型機とみられる機体が同日午後2時42分、米軍嘉手納基地に着陸するのが目撃された。

 通告があった3件とも、使用する目的や中止理由について地元へ具体的な説明はないという。南大東村の仲田建匠村長は「今までにない事態だ。民間機のフライトに支障があってはならない。訓練や演習といった軍事目的のために民間空港を使っているのか、設置管理者の県に、いきさつを確認したい」と話した。(照屋大哲)